クラウドゲーミング PlayStation NOW が普及しないと思ういくつかの理由




クラウド経由でPlayStationのゲームが遊ぶことができるPlayStation NOWというサービスがあります。

私はいくつかの理由から普及しないんだろうと思います。このブログではなぜ普及しないのかについていくつかの理由をあげていきたいと思います。

また。2018/ 9にストリーミングには問題があると認識したのかダウンロード対応の発表をしました。こちらのほうにもまとめましたのでよろしければご覧ください。

PS Now ダウンロード対応(米国)発表で将来期待できること

PlayStation NOWとは

PS NowはPS4/ PCで利用できるクラウドサービスで定額でゲームを楽しむことができます。日本では月額2,500円 3カ月で5,900円で提供されています。

当初はPS3/ Vita/ ブラビアなどPS4以外でもサポートしていたようです。

サポートを外したのはおそらくですがパフォーマンスがサービス当初考えていたよりも必要だったからか、PS4以外での会員数が増えなかったからでないかと思います。

後者の理由であれば会員数はほとんど伸びていないということが推測されます。

ネットワークの制限

PS Nowはストリーミングを使用したサービスなので利用するためのネットワーク環境にかなりの制限があります。

PSN | PlayStation Nowについて | プレイステーション

※ プレイには下り速度5Mbps以上が保証される安定したネットワーク環境が必要となります。 快適にプレイいただくには12Mbps以上が保証される安定したネットワーク環境が必要となります。

インターネットを利用したサービスは家庭からプロバイダーまでの通信はある程度保証されますが、プロバイダーをまたいで通信するので帯域を保証するサービスの提供は難しいと思います。



遅延の問題

以前、PS4のリモートプレイでの検証を行いました。このことから不向きなゲームがあることを説明したことがあります。

PlayStation リモートプレイをいろいろ試してみました。

下はPS Now の簡単な構成図です。

赤文字で書いたのは遅延が発生するポイントです。

  1. PS NowにあるPS3/ 4がネットワーク用のデータ(パケット)変換
  2. インターネットは専用線サービスではないので明確な遅延保障はない。
  3. 家庭用で利用されているルーターは安価なものが多く遅延はここで発生しやすい
  4. パケットから画像に変換

インターネットは利用時間などでスピードが出ず快適にゲームができないこともあります。ゲーム動画をネットワークで通信させるためのデータ変換とそれをまた動画に変換する処理があり、それほど高価でない家庭用ルータを経由することでかなりの遅延が発生するのではないかと思います。

また、インターネットでも家庭でも他に通信が発生するときにセッションで利用できる帯域にも変化があるので高品質を保つのはかなり敷居が高いのでないかと思います。

将来はクラウドサービスが一般的になるかもという話は聞こえてきますが、インターネットの仕組みと画像転送する仕組みが画期的に変わらない限りそのようなことは起きないのでないかと思っています。どのような技術発展があってもローカルで動作するのと同じレベルで品質が保てることはないと断言してもいいと思います。

快適性を望むのであればPS3/ 4とパッケージを購入するほうがストレスは感じないだろうと思います。



料金の問題

技術的な課題はありますが、多くのゲームは遅延があっても影響がないものが多いと思います。

ただ冷静に考えて月々2500円はやっぱり高いのでないかと思います。たとえば新作が定額プランに入っていればお買い得だとおもいますが、PS Nowでは発売開始からしばらくたったものがメインでPS3のゲームのほうが多いくらいだと思います。

古いゲームは中古ゲームと競合

PS3のゲームだとブックオフ、ゲオ、ツタヤなどで入手できますし、ゲオは連休時などでは客寄せのためかかなりアグレッシブな価格で中古品を販売します。

なかなか入手困難なものは高額になるものはありますが、ある程度出荷されたPS3ゲームだと1000円以下で購入できます。

おそらく世の中の大体の人はひと月に1本ゲームをすれば満足だと思います。PS3が手元になくても1万円以下で購入できるので、PS3のゲームがしたいのであればPS Nowではなく素直にPS3を中古で購入するほうがストレスはないと思います。

今こそPS3中古で購入しませんか?

PS Nowは遊ぶゲーム機としてはPS4のみのサポートなので、PS4を持っている人かるするとPS Plusに入会していることが多いと思います。

PS Plusではフリープレイとして毎月1本以上提供され時には人気作品もあります。ちょっと古いゲームを遊ぶのに2500円を追加で払う人は相当限られた人のような気がします。

PS Nowが高くなる理由

最近、クラウドサービスという言葉が一般的になってきましたが、多くの場合クラウドサービスではPCサーバーでできることをサービスとしているので比較的汎用的な使い方を想定しています。

そのため汎用的な仕組みを多くの人で利用するから数の論理で安価にサービスを提供できることが可能になるのですが、PS Nowの場合ゲーム機をデーターセンターに置く必要があり、なおかつゲームそのものにはコンピューティング処理が多くかかるのでその分高価になる可能性が高いと思います。

それでもPS4の場合はx86-64系なのでもしかすると汎用的コンピュータで動作させることでコストを削減することができると可能性もあると思いますが、PS3は独特なシステムなのでおそらく使う人分のPS3か同等システムが必要になると思います。

例えば、1000人同時に使う人がいれば1000台のPS3が必要で、これが価格を押し上げている一つの要因なのでないかと思います。

あとストリーミングは定常的にデータを送信するので、データーセンターからのインターネット接続料金もかなり高額になるのではないでしょうか?

PlayStation Now 以外の選択肢

G-Clusterというゲーム機があり、定額500円からのサービスがありますが、いまだに成功していると聞いたことがないです。

ゲームのストリーミングサービスは、データーセンター側の投資が高くなるので二番手三番手が現れず、競争原理も働かないので値段は高止まりのままサービス内容が高くならないのでないかと思います。

Xbox Game Pass

私がひそかに期待しているのはPS4からみるとライバルにあたるXbox Oneの存在です。Xbox OneはストリーミングによるクラウドサービスでなくPS Plusでいうところのフリープレイを拡張したGame Passというサービスを展開しています。

特長は

  • 米国では月9.99ドル 米国でのPS Nowは19.99ドル
  • マイクロソフトのファースト製品は発売日から遊べる
  • Xbox Oneだけでなく360のゲームも後方互換機能で遊べる
  • Windows Anywhereも対象

などがあります。米国ではPS Plusに対してGame Passは半額なので日本でもPS Nowよりは安価になると思います。

あえて弱点をいうと遊べるゲーム数がPS Nowと比較すると少ないようですが、ファーストの新作が発売日から遊べるのは相当メリットが大きいと思います。


そもそもの課題

単純にPS Nowは値段が高いと思います。ローカルでパッケージのゲームで遊ぶことよりプレイの品質が下がるのであれば中古を購入したほうがものによっては安く上がります。

また、月々に2500円を新作でないゲームに支払うことができる層はかなり限られているような気がします。

PS Now が今より普及するのは大幅な値下げと古いゲームではなくPS4の最新のゲームが遊べないとユーザー側のメリットは少なくやはり流行らないのでないかと思います。

理想はXbox Oneのように後方互換を確保したうえでGame Passのような仕組みを作ることだと思いますが、PS3の後方互換をPS4で構築するのは相当難しいと思うので、この際思い切ってPS4だけでもいいのでGame Passのような仕組みが最適だと考えています。

PS Nowのようにゲーム機をデーターセンターに配置する必要がなくなるだけで安価になると思います。また、PS Nowを続けるにしても生産を止めたPS3のホスティングはコスト高の原因になるので料金オプションでPS3なしみたいなメニューができるのでないかとも思ったりします。

ただ私の意見はあくまでもユーザー側からのもので、Xboxが後方互換ができたりGame PassやEA Accessのような定額サービスがあっても販売競争で負けているのは、そもそも後方互換なんて多くの人は気にしていないからともいえるのでここはXbox も頑張って盛り上げてほしいと思います。

Xboxの状況がよくなればPlayStationのこのような課題も本気で取り組む可能性が高くなるので今年のE3では今までの不利な状況を吹き飛ばすような発表をしてほしいなと思います。


「クラウドゲーミング PlayStation NOW が普及しないと思ういくつかの理由」への3件のフィードバック

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