私が勤めている会社で扱っている Leostream コネクションブローカーのことに関連する VDIに関する書籍について調べてみました。
近所の図書館で借りてきました。2015年に書かれている本で内容は古いですが、RFPの書き方についても説明されていること、基本的な部分がメインなので今でも知識の整理には使える本です。
仮想デスクトップ「VDI」「DaaS」入門: 「シン・クライアント」の選定から「サ-ビス」の導入まで (I/O BOOKS) 単行本 |Amazon
この本を読むポイント
- あくまでも入門書
アマゾンのレビューでも書かれていますが、あくまでも入門書で「そんなこと知っている」ということも書いてあります。 - VDI/ DaaSの違いはオンプレミスかサービス利用
組織内にインフラを用意するのがVDI、クラウドサービスがDaaSになります。 - VDI/ DaaSの導入するためのガイドブック
組織がVDI/ DaaSを導入するうえで重要なポイントが書かれています。具体的に導入するためのRFI/ RFPの書き方のポイントも書かれています。
この本のいいところ
アマゾンのレビューでは内容が薄いと書かれていましたが、読む層によって違うと思います。
現場に近いエンジニアからすると確かに内容は薄いのでしょう。ただ、私のように詳しくない人間からするとVDIやDaaSがなぜ必要なのかその目的が丁寧に書かれており、どちらかといえば購入決定者のような管理職に近い方々が読むのに適している本だと感じました。
また、見方を変えるとエンジニアはすでに知っている情報は書かれているので、購入決定者を説得するセールスマンやマーケティングに近い方は今でも読む価値はあると思います。
VDI/ DaaSの必要性
この本では明確にVDI/ DaaSはシステム使用を安価に済ますのが目的ではなく、データーを一元的に管理することでセキュリティを高めることが重要な目的であることを説明しています。
VDIは必ずネットワークが必要になる一方、VDIで使用されるシンクライアントは必ずしもPCと比較すると大幅に安いとは言えないのでコスト削減になるといえません。
一方でPCを利用するとマルウェアやランサムウェアを防御するためにパッチ対応やエンドポイントセキュリティ製品導入など様々な作業が発生します。VDIを利用するとデーターの一元化、PC管理もできるようになり、運用のコストまで考えるとVDI/ DaaSの導入する理由がはっきりします。
VDI/ DaaS技術的なポイント
VDI/ DaaSはデーターセンターにあるコンピューターが実行してその結果をクライアントに表示させることで、データそのものはクライアント側に置かないことが特徴です。
しかしながらよく使われているRDPなどは動画、音声やCADなど3Dグラフィックを利用するアプリに向いているものとは言えません。そこでアプリケーションによっては様々なVDI用のプロトコルを利用することになります。
Teradiciが開発したPCoIP (PC-over-IP)、 VM Ware が開発したBlast Extreme、Citrixが開発したHDX (High Definition User Experience)などが動画などに向いているといわれます。
一方で一般的なオフィス利用ではWindowsで標準的に使われるRDPで十分であることもあり、用途に合わせて様々な方式を採用することが結果的にはいいです。
本書では、VDIで利用される様々な方式についてメリット、デメリットを整理し導入プロジェクトをどのように進めていくか整理されています。
モバイルセキュリティについての説明も
VDIの特徴として必ずネットワークが必要になりますが、VDI/ DaaSを利用すると外出時に必ずモバイルでネットワークについても書かれています。この本が発売された 2015/7/24に話題になっていたMDMに代表されるモバイルセキュリティについても記載されております。
MDM自体は凄く一般的になったのかこの本が書かれた当時ほど話題にはならないですが、2024年のいまは統合エンドポイント管理(UEM)が一般的に知られていると考えられます。
この本で書かれているMAM製品にあたるものとしては Promonがあります。
まとめ
内容としては古いので定価で購入するとちょっと高く感じるかもしれませんが、古本で購入したり図書館で借りれるのであれば、VDI/ DaaSの基本的なところや導入のチェックポイントを整理するのんは今でも有用な本であると思います。
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